幸いなことに車軸藻類は比較的飼いやすい藻類らしいのです。
一応、標準的な飼い方は「適当な容器に畑の土などを入れ、藻体を挿してふたをして、直射日光の当たらない、明るめの廊下みたいなところで飼う」ってなところです。
きちんと培養するときは以下のようにするそうです。
(「しゃじくも 車軸藻類の保全をめざして」(「車軸藻グループ」の冊子:2006)より、若干表現を変えて引用)
マヨネーズびんに、底が見えない程度腐葉土をいれ、その上に土(後述)を入れる。
土を湿らせ、ふたを軽く閉めてオートクレーブ(121℃、20分)にかける。
水(イオン交換水)を入れる。
ゲルマニウム溶液を入れる(珪藻の増殖を抑えるため)。
そして、植える。土は種類によって好みが違うので、
砂のみ、黒土のみ、砂と黒土混合のうち、いちばん良く生育するものを使う。
オートクレーブやらイオン交換水と言われても困るという場合もこれをアレンジしていけばいいかも。
私としてはもっと普通に飼えるだろうと水槽でお気軽に育てたりしているのですが、 他の緑藻やら珪藻やら藍藻やらに占拠されてしまったりすることが多く、 結局のところ上記のようにしてちゃんと培養する方が手間いらずということのようです。
と、いいつつ、どんなふうに飼っているのか紹介しておきます。
容器
1.5リットルペットボトルの上を切ったやつ、梅酒ビン、PETの梅酒瓶、
プラスチック水槽、ガラス水槽、そのときの状況に応じて適当にやってます。
基本的には大きい容器の方が安定している気がします。特に夏場はペットボトルだとすぐお湯になっちゃうしね。
土
やっぱり、自生地のものを使うのが一番でしょ。
といいつつ、面倒なのでいつもホームセンターでそのときの気分で適当な土を買って来て使っています。
今まで使ったもの
黒土:栄養豊富そうでいい感じなのですが、当然、糸状藻なども付きやすく、厄介。これだけだと土がかたく締まっちゃうときもあり
荒木田土:田んぼの土だということなので、よさげなのですが、粘土質なので水槽に入れると水が濁っちゃってあんまり、、、。
というわけで、ここ数年は2〜3mmの粒々でさらさらして水も濁りにくく、扱いやすいので、水稲育成用土の魚沼焼土(肥料は入ってない)やサン培土(肥料入り)なんてものを使っています。
が、うまくいったりいかなかったり、いかなかったり、いかなかったりというところです。砂やら何やらを混ぜないとよくないかも。そんなことするより普通の培養土の方がいいのかもね。
植物を飼っている人にはあたりまえのことかもしれないけど、やっぱり、根っこって大事みたい。仮根がカビみたいにうわーっとはびこってると、たとえ一時藻体が壊滅しても復活して来るような気がする。
明るさ
車軸藻類は沈水植物の中で一番深い所に「シャジクモ帯」を形成するので、暗い所でも大丈夫。逆に明るい所に置くと、他の緑藻等がはびこってきて負けてしまう。
ま、そんな感じではありますが、明るいほうがエメラルドグリーンの藻体がすてきに見えるので、悩ましいところ。時によって蛍光灯で照明したり、しなかったり。元気なときは明るい窓際でも水は透明で余計な連中はなりをひそめています。が、やばくなってくると、水も濁ってくるし、、、。
栄養塩類
貧栄養(だけど必要なものはある)を保つのが良いようです。
週に一度、半分の水替え、てなかんじか。
ハイポネクス開花促進液という、窒素分を含まないものをうす〜〜〜くして(1000倍に薄めたのを1滴/10リットルとか)時たま入れています。
でも、とたんにバランスが崩れて緑藻、珪藻、ラン藻、原生動物、がうわーっと出て来ることが多く、たまに、ためしに施肥しては後悔するの繰り返しです。
それよりは適切な土を利用して水だけかえてるほうがいいみたいです。
他の生き物
カイミジンコが、勝手に入り込んでます。明らかに藻体を食べてたりするのですが、藻体表面を掃除してる感もあり、とりあえず黙認。
水槽のバランスが崩れた時に大発生して、弱った藻体にとどめをさすことがあるので要注意。
小型のエビ類もいいと聞きます。
だいぶ前にヤマトヌマエビをいれたら藻体を頭からむさぼり食われ、もっと小型のビーシュリンプは良い感じでしたが夏の高温であっさり昇天、その後使ってません。2016年・2017年に井の頭池のイノカシラフラスコモとオトメフラスコモの水槽にヌマエビ類を入れ、つまつましているのを見て楽しんでいますが、効果の程は不明。
夏になって弱ったイノカシラフラスコモ(井の頭池)の痛んだ部分を食べている?ヌマエビ類