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シャジクモ  Chara braunii

(最終更新 2016.8.5)

シャジクモ属の代表格、と思いきや、皮層(主軸や小枝の周りを取り巻く細胞)がまったくないという、シャジクモ属の主流とは外れた特徴を持つやつです。

皮層がまったく無いものには他に Chara corallina の仲間がいますが、
 ・小枝の先端に小さな同じぐらいの長さの細胞がいくつか冠みたいについている
 ・生殖器が小枝の根元(基部)にはつかない
この2つの特徴で見分けることが出来ます(corallina の仲間、オーストラリアシャジクモの項参照)

シャジクモ全体   水槽で育てたやつなので少しひょろひょろ
シャジクモ小枝先端   小枝先端 これのどこが冠? 同じぐらいの長さ? と言わないでね。

と、書くと簡単に同定できそうですが、野外で肉眼でぱっと判断しようとするとけっこうひっかかります。
托葉冠(下図参照)が発達していたり、ほとんど見えなかったり、藻体も大きかったり小さかったり、いろいろでして、私はしょっちゅう別種と間違えています。

シャジクモ托葉冠 これは「ほとんど見えない」もの。小枝と小枝の間に位置する。1列。
シャジクモ托葉冠その2 こちらは普通な感じかと。

こちらに「普通種」という意識があるのと、「優美さがなくて嫌い」とか、「シャジクモなんて名前じゃあ属名だか種名だか区別しづらくてやだ」とか思っているのでつい邪険に扱ってしまいます。

シャジクモ卵胞子 卵胞子

絶滅危惧1類なのですが、シャジクモをこのカテゴリーに入れたのは湖沼の調査結果からのもので、実際には田んぼに結構いるようです。田んぼも不安定な人工環境ですから(都市近郊ではどんどん無くなってるし)、絶滅危惧種に入れるのはもっともだと思いますが。

と、思っていたら、
湖沼にいるシャジクモと田んぼのシャジクモは別系統ということになったそうで(こちら参照)。

水田雑草だけどあんまり大きくもないので、たくさん生えているのに農家の方にもあんまり認識されていなかったりするようです。

が、繁茂すると収量に大きくひびくほどの害もあるようで。

田んぼのシャジクモ
水面下に黒っぽくごちゃごちゃっとあるのがシャジクモ。
いるところでは田んぼ一面びっしり、いないところには全くいないという感じ。

見た事のあるところ

市川市のじゅん菜池、市川市内の休耕田、船橋市、沼南町の田んぼ、長野県軽井沢町の田んぼ。

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