卵胞子の形態(その1)

持ち帰った泥の中に卵胞子があることが分かったので、それを取り出すために、次の2つの方法を行ってみた。

1)乾燥している泥を2gとり、150μmのメッシュの上にのせて、その上から水を流してメッシュ上に残ったものをシャーレに取り、水を入れ顕微鏡で見る。

2)乾燥した泥を2gとり、200μmのメッシュの上にのせて、砂と小石に分ける。メッシュの上にのこったものを顕微鏡で見る。

この後は1)と2)、両方同じことを行った。顕微鏡を見て、卵胞子のスケッチをし、また、卵胞子の長さと幅、卵胞子の螺旋縁の数と形状、卵胞子の形状を調べた。

結果

(2)の方法は、砂粒がたくさん残ったりして卵胞子を見つけにくかった。(1)の方が水が入っているので卵胞子とごみを砂粒と選別しやすかった(揺らすと卵胞子とごみはシャーレの中心に集まる)。
合計4グラムの泥の中から見つかった卵胞子は、

   黒くて丸い型(5個)
  茶色くて小さく、丸い型(16個)

と、黒くて長い型(1個)の3タイプあった。(黒くて長い型は、写真は撮らなかった。)

それぞれの大きさなどは
  黒丸型の卵胞子 茶小丸型の卵胞子 黒長型の卵胞子 日本淡水藻図鑑のイノカシラフラスコモの記述
長さ 平均466μ 平均274μ 662μ 435〜450μ
平均396μ 平均211μ 363μ 380〜410μ
らせん縁 5〜6本(翼状) 4本 10本 6〜7本(翼状)
卵胞子膜 粒状 不明 不明 粒状
  黒丸型の卵胞子膜(粒状?)

泥の培養結果と併せて考えると、黒色丸型はイノカシラフラスコモ、 茶色の色を呈し小型の卵胞子はシンフラスコモ、黒色長丸型は、シャジクモのものとかんがえられる。