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イノカシラフラスコモの培養(その1)

1997.7.28〜


これからイノカシラフラスコモについて研究することになり、まずは藻体を手に入れようとしましたが、あいにくじゅん菜池では夏はイノカシラフラスコモは枯れてしまうそうで、手に入りませんでした。

そこで、泥をいただいてきて、その中にあるはずの藻体の断片または卵胞子を育てようと考えました。
ただし、卵胞子が発芽するには一定の条件が必要ではないかと考え、つぎの4つの条件で培養してみました。

 1 泥のまま水道水を加え、低温定温器(20度)に入れる。
 2 泥のまま水道水を加え、一度冷蔵庫で冷やしてから低温定温器(20度)に入れる。
 3 泥を日の光に当てて乾燥させてから低温定温器(20度)に入れる。
 4 泥を日の光に当てて乾燥させてから一度冷蔵庫で冷やして低温定温器(20度)に入れる。

発芽の条件としては、
低温 
 一度冬を越した状態にならないと発芽しないのでは。
乾燥 
 田んぼ(水没したり乾燥したりを繰り返す環境)に育つシャジクモなどでは一度乾燥させた方が発芽がよくなるそうなので、もしかしたらイノカシラフラスコモもそうかもしれない。
の二つを考えたわけです。

予想

実は顧問二人はうまくいかないだろうと考えていました。
というのは、未確認情報として「じゅん菜池のイノカシラフラスコモは有性生殖をしていない(雄株だか雌株だかしか確認されていない)」というのがありまして、もしそうなら泥の中に卵胞子は無いことになります。

また、卵胞子があったとしても、車軸藻類の卵胞子の発芽条件はいろいろ微妙らしい(一度酸欠状態にしないと発芽しないとか)ので、こんなラフな実験ではうまくいかないだろう。
藻体の断片が残っていてそこから新しく伸びてくるとしても、自然の状態ではないので難しいのでは無いか。
というふうに考えていて、まあ、秋になってじゅん菜池にイノカシラが生えてくるまでのつなぎの実験というとらえ方をしていました。

ところが、、、、、

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