特徴
1 造卵器の小冠細胞が長い(60〜90マイクロメートル)
特に上列の細胞は下列の二倍以上
2 雌雄同株
3 主軸は500〜800マイクロメートル
4 結実枝は不結実枝より小さく密集する
5 3〜4回分枝、第一分射枝は小枝全長の2/3程度。
6 造卵器は2〜3個群生、長さ550〜650、幅420〜480
螺旋は7〜8本
7 卵胞子膜は網目状、卵胞子長さ360〜410、幅300〜340
ただし、1は「フタマタフラスコモ群(Nitella furcata)」の特徴。
螺旋が8本みえる。
小冠の拡大 上列が下列の2倍位はあるかと
ほぼ成熟した造卵器。2個が同じところから出ている(2個群生)。
最終枝は2細胞
卵胞子膜の模様は網目状
手賀沼の底土を培養した結果、でてきたもので、環境庁のレッドデータブックでは「絶滅」になっています。
1999年7月20日、テガヌマフラスコモの原記載者である、東京都立大学理学部名誉教授、加崎英男先生に同定していただきました。結果は◯。
フタマタフラスコモ Nitella furcata との明確な相違は卵胞子の大きさのみなので現在は変種扱いになっています。DNAの分析等を行えば分類的な位置がはっきりするかもしれません。
手賀沼親水公園の「生態園便り」によれば、99年の夏にガシャモク池(我々が手賀沼の土を採取した場所のごく近く)にフラスコモが出現したようです(その後消滅)。
写真を見た印象では、テガヌマに酷似しています。環境が整備されれば現地での復活も十分あり得るのでは。