2008.8.20(最終更新 2016.8.5)
日本にいるシラタマモ属はシラタマモのみです
皮層をまったく持たない。
托葉冠は一列、小枝と対生。
無性生殖用の球状体を仮根部に付ける。
皮層を持たないので、シャジクモ Chara braunii に見た目がよく似ていますが、もちろん属がちがうのですから細かく見るとだいぶちがいます。ここではシャジクモと比較しながら説明します。
たぶんこれがシャジクモ属との最大のちがいかと。
シャジクモ属では小枝の各枝の間に托葉冠が出ます(互生:ごせい)。
シラタマモは各枝の真下に托葉冠が出ます(対生:たいせい)。そして長く(1mmぐらい)伸びます。
シャジクモは左のように小枝先端に冠状に小さな細胞がいくつも集まっていますが、シラタマモの小枝先端は右のように1〜2細胞がひとつながりです。
C.corallinaの仲間のように先端に1細胞だけちょこんと付くのとも違います。
造精器は小枝の第1節か第2節に単生。
生卵器は小枝基部に群生または小枝第1節に単生か双生(?)。
シャジクモは基部には付けません。C.corallina(オウシャジクモ)の仲間と似ていますが造精器が小枝基部に付かないところが違います。
雌雄が同じ節に付く時は造精器が上で生卵器が側生すると日本淡水藻図鑑にはあるのですが、実際に付いたのを見てみると生卵器が上でした。
某専門家に問い合わせたところ、別の文献ではL.succinctumは雄が上だったり下だったり、横についたりしているそうです。
日本淡水藻図鑑には卵胞子は「普通石灰質の殻に包まれ」とあり、らせん細胞が石灰化して固くなり、卵胞子をおおったままなのだろう。また、小冠が外れて大きく穴が開くのは芽を伸ばすためなのだろうと解釈しています。
シラタマモは藻体の基部に白色の球体が2〜4個集まったものをつけ、 これで増殖します(だから白玉藻)。シャジクモにはそういうものはありません。