生卵器
(イノカシラフラスコモ生卵器)
生卵器は楕円体で単純なつくりをしています。
基本的に、まん中にできる1個の卵細胞(卵胞子(らんほうし)になる)の周りを5本のらせん細胞がぐるぐるとりまいているだけです。
上の写真の左上に5本のらせん細胞の先端が見えています。この写真では脱落していますが、らせん細胞の先に、さらに1つ(シャジクモ属)または2つ(フラスコモ属)の小さな細胞がついており、これを小冠細胞(しょうかんさいぼう)と呼びます(小冠細胞の集まりが小冠)。
生卵器が成熟してくると、らせん細胞の先端部がふくらんだり、小冠が外れたりして隙間ができ、精子が進入して受精するのだとか。
下にはオトメフラスコモの若い生卵器と小冠付近の拡大、成熟した生卵器と小冠付近の拡大の4つの写真を順に並べておきます。
若いうちはらせん細胞と小冠細胞が隙間なくぎゅっとねじれて卵細胞を取り巻いていますが、成熟するとらせん細胞の先がすっと伸びて隙間ができています。
イノカシラフラスコモの生卵器では成熟にしたがって小冠は外れ、下のようにらせん細胞先端がぷっくりふくらみます。
私は生卵器とは小枝が卵細胞をくるくるっと取り巻いて保護するように変形したものだと思っていますが、それでいいのかは分かりません。
テガヌマフラスコモのごく若い生卵器。(らせん細胞+小冠細胞2個)×5本が少しよじれかけた状態で立っています。
造精器
(テガヌマフラスコモ造精器)
球状ですが、なんだかひび割れています。造精器は8枚の楯形細胞というものが集まって出来ているのです。
楯形細胞の内側で造精糸という糸状のものがたくさん出来、その中で精子が作られるのだそうな。
成熟すると造精器が開いて精子が泳ぎ出るとのこと。
下の写真は開いた造精器です。少し見づらいですがお判りいただけますでしょうか。
(イノカシラフラスコモの造精器)
8枚の楯形細胞のうち4枚だけ残っているんですが、、、。