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ミルフラスコモ  Nitella axilliformis

ミルフラスコモ全体  全体の様子(だいぶいじけてますが) 点々と白く見えるのが結実枝。

特徴

基本は一回分枝。
その場合、第ニ分射枝は肉眼では見えるか見えないぐらいに小さいものが多い。たまに第ニ分射枝の一本だけ、ないし全部の第ニ分射枝がのびる。のびる場合は先端で小さくもう一回分枝する。
最終枝はたいてい短縮して2細胞。

結実枝(生殖器のつく枝)は節間が短く、不結実枝の小枝基部に塊になって付いている。

ミルフラスコモ小枝 小枝の拡大。先端がちょこんと分枝している。
ミルフラスコモ小枝拡大
 小枝先端。刺状に4本見えるのが第ニ分射枝。2細胞で出来ている。
ミルフラスコモ結実枝 小枝基部の結実枝。

1999年7月7日に沼南町の田んぼから採集した。

田んぼで出会った時、なよなよした外観から、フラスコモだと思った。
しかし(肉眼での観察では)分枝していないので、やけに軟弱なシャジクモだなとおもいながら採集した。

生物室で検鏡すると小枝の先に小さな枝分かれが、、、。フラスコモだった。

夏休み中にシャジクモといっしょに窓際に置いたところ、シャジクモは殆ど溶けてしまったのに、こちらはしぶとく生き残った。絶対南方系だな。とおもったら
「日本産輪藻類総説」今堀宏三 1954 によれば「九州地方にはごく普通に見られるフラスモ類の一つ」だそうな。

いまでも「ごく普通に見られる」なのだろうか?
私は「ミル」だと確信しているが、専門家の同定は受けていない。


2000年7月6日、昨年と同じ場所及びその近隣の2ケ所で採集できた。
周囲のほぼ全ての田んぼにシャジクモがいるのだが、ミルも実はこの地域に点在しているのではないかとの印象を持った。
しかし、6月なかばの段階では、去年見つけた場所でも発見できず、7月6日にも、去年の場所では15センチ位に伸びていたが、新しい場所では5センチ程度。どちらも卵胞子は成熟していないようだ。
ここでは、7月なかばには田から水をひいてしまうので、シャジクモに比べて今一つ、田んぼのサイクルにあっていない気がする。
7月初旬〜中旬でないと見つけられないとしたら、分布調査等は
人手がないとできないなあ。


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