生態

教科書の「湖の水生植物の垂直分布」の項目では、一番深いところにシャジクモ帯を形成する、とあります。

垂直分布図です

こんな感じで、沈水植物帯の一番深いところに車軸藻は陣取ります。
一番深いところ = 一番光の弱いところ なわけで、湖が汚染され、水の透明度が落ちると、一番打撃を受けやすい。
そこで車軸藻類は日本各地で絶滅が進んでいるようです。

ただこのような図式はあくまで典型的な湖沼においてのものですし、現在の日本の湖沼では沈水植物帯全体が無くなっているところも多いようです。

車軸藻類は「(多くの種では)他の植物にくらべていろいろな環境要因に対して狭い範囲の適応性しか持たないため、特殊な環境に純群落として生育することが多い。」そうです。

撹乱のあった土地など(田んぼはいつも人工的に撹乱してますよね)で条件が合うと土中の卵胞子からあっという間に成長して純群落を作るが、そのうちほかの連中に駆逐されてしまう、いわゆるパイオニア種(先駆種)的な面も大きいようです(こういう言い方は正しいのでしょうか?)。

千葉県某所にあらわれたオトメフラスコモ群落の変遷


1998年。純群落といっていいような状態。それはそれは綺麗なながめでした。

2002年。跡形もない?卵胞子は次の出番に備えて眠っているのか。