1998年7月30日〜8月1日、奥日光、湯ノ湖で車軸藻の調査を行いました。
目的は野外の湖沼での車軸藻類の様子を見ることです。実はこの時点まで、「野生の」車軸藻類を見たことがあるのは理科部の中でも顧問佐野のみだったのです。
事前の情報ではここに生息する車軸藻類はヒメフラスコモとカタシャジクモということでした。
現地で手漕ぎボートで調査した結果が下の地図と表です。
コカナダモ | 3.7m/3m/2m/1m |
カタシャジクモ | 1m/3.7m |
ヒメカタシャジクモ | 0.3m〜0.5m |
ヒメフラスコモ | 4.3m/1m |
ここで問題になるのは「ヒメカタシャジクモ」です。
カタシャジクモの群落より浅いところに点々と生えていて、どうも少しカタシャジクモと違う(小さい)のではないかということで宿にもどってから顕微鏡も使って調べてみました。
結果、どうもヒメカタシャジクモではないかということになりました。
根拠は2つ。
皮層はどちらとも3列1組になっていて、カタシャジクモは全て同じ太さだが、ヒメカタシャジクモは1本だけ太くなっている。
その2 托葉冠カタシャジクモは托葉冠がすごく小さくてヒメカタシャジクモは上段がそれより発達している。
ただ、持ち帰って水槽で育てているうちに、
カタシャジクモとヒメカタシャジクモの区別がつかなくなってしまって(上の写真はずーっとカタシャジクモだと思って飼っていたものなんです)、困っています。
2001年、追記。
その後、部員がいなくなって合宿ができない(再調査できない)でいたのですが、昨年、某専門家筋から得た情報によると、湯ノ湖にはやはりカタシャジクモしかいない。生態的な変異ではないか。とのこと。